成功する人、しない人
思うに、成功の鐘をつき鳴らすために、人は、よしんば真摯な個人的奮闘努力をつくす必要があるとしても、それにもかかわらず、成功はなお一種の当てにならない力だめしに過ぎません。
・・・そして、それが当てにならぬものである以上は、かならずしも最終的に成功を獲得できるとは決められないのです。
ところが幸運のほうはと言えば、それは一種のお伽噺的な贈物であり・・・
しかも、そんな贈物をもらうねうちの全くないような人間に対してさえ、不合理千万にも特別のえこひいきに依ってその貴重な贈物があたえられたりします。
人間の宿命というものもまた、したがって性格だけによって造られるのでなくて、機会とか偶然とかいう要因が、同様に、すこぶる重要な役目をしているのです。
世のなかのすべての道徳家たちが、不断の努力や根気強い追求こそが成功のための根本的要件であると主張しているときに・・・
まるで幸運にあたいしない怠け者が、あっけなく成功をかち得て、世間の勤勉な徒弟たちへの決然たる賞讃にいやがらせをしています。